「歩きの人はどうぞ。自動車は入れませんよ」
バス通りに面した歩道の先は、桂島緑地の北側にある並木道の入り口で、数本の車止めが門番のように立っている。
まっすぐに、すっと立っているその姿からは、こんな言葉が聞こえてくるようだ。
石で作られた円柱の車止めは、石敷きの路面と同じように、年月を感じさせながらなじんでいるように見える。
この並木道には、両側に等間隔で街路樹が植えられていて、大きく伸びた枝にはたくさんの葉が茂り、夏の暑い日差しを遮る木陰を作っている。
大人も子供も、そして愛犬も安心してこの並木道を楽しむことができそうだ。
並木道の隣には車道があり、やはり緑地との間には、車止めが設置されている。
ここの車止めの形は球体に作られていて、今にも転がりだしそうなのだが、どっしりと路面に固定されている。
並木道の入り口以外の場所にある出入り口には、この球体の車止めが設置されていいる。
球体には角がないため、たとえ手足が触れても、傷つくことが少ないだろう。
球体はシンプルだが、車の進入を拒む機能を持ちながら、人には優しい形をしている。
シンプルなものでも、いくつか集まることで、大きな力を発揮するものなのかもしれない。
この緑地には、ここを訪れる人への気遣いが感じられる。
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