猛暑が続いたこの夏も少し落ち着いてきた、と誰もが思っていたところに、台風の嵐が駆け巡った。豪雨と強風による被害に胸が痛む日々である。
台風一過の蒸し暑さが戻ってきたある晴れた日。桂島緑地の中には、いつの間にか秋の気配が感じられるようになっていた。
ついこの間までは、緑陰の中で暑さをしのいだりしたのだが、今では、色付き始めた葉が、所々で見られるようになった。どんなに暑い夏でも、必ず秋になる、ということか。
まわりにまだ緑の葉が生い茂っている中で、一本の木であっても、そこに季節の変化が現れれば、やがて来るであろう時を教えてくれているのかもしれない。
やっと秋らしくなってきた。やっと過ごしやすくなってきた。こんな事を思うのは、年齢によるためなのか。若いときは、暑さが苦にならなかった様な気がする。
秋は、誰にとってもいい季節だと思うのだが。スポーツの秋、芸術の秋、食欲の秋、文学の秋などなど、心身のリフレッシュには、最も適した季節だと思う。
いつもは運動らしい事をしていないので、カメラを片手に公園の中を散歩するのが、今のところ、体を動かしながら楽しんでいることかな。
なにか新しい物を見つけよう、今まで見過ごしていた物はないか、そんなことを課題にしながら歩くことかな。
いつもの散歩道にあるベンチには、秋の便りが置いてあった。当然地面にも落ちていたが、こうしてベンチの上に並んでいると、もう先に来ていたよ、と言っているよう気がする。
陽光を受けて透けて見える楓の葉には、まだ紅葉は見られない。この葉もまもなく色を染めるだろう。自分の出番が来るその時を、少しずつ少しずつ準備をして待っている。誰もその動きを見ることはないが、必ずその時は来るだろう。
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